腸チフスワクチン接種の案内
★流行地★
日本を除く東アジア、東南アジア、インド亜大陸、中東、東欧、中南米、アフリカなどに広く分布しており、とくに途上国に多くみられます。
わが国では年間数十例におよぶ発生件数がみられますが、その多くは海外で感染し帰国後に発症した輸入感染例です。
★感染経路★
ヒトにのみ感染する疾患で、患者や健康保菌者の糞便で汚染された飲食物を介して感染します。
★潜伏期間★
主な症状は発熱で、高熱が持続します。下痢がみられることもあります。
典型例では、バラ疹(胸腹部に現れる淡紅色の発疹)、肝臓や脾臓の腫大、意識障害や徐脈(脈拍が遅い)などの症状がみられます。また、いったん解熱しても、約20%に再発を認めます。
腸出血、腸穿孔をきたすこともあります。
★症状★
抗菌薬の投与による治療が行われますが、特にアジアでは薬剤耐性菌(薬の効かない菌)も報告されています。特に、バングラディシュでは、治療困難のため、ワクチン接種が必須です。
★治療法★
上下水道設備の不十分稼地域に滞在する場合は、加熱不十分と思われる食品は避け、飲料水も煮沸してください。飲食店や屋台などでの飲食も控えてください。また、胃切除後や制酸剤内服中は感染しやすくなるので、とくに注意しましょう。
一番の予防法は、腸チフスワクチンを接種することです。
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