もやもや病とは
脳血管の異常が原因の病気。脳血管造影で、異常血管がモヤモヤして見えることからこの病名となっている。 一過性脳虚血発作(TIA)による失神や頭痛が起こる。脳出血のリスクが高い。言葉を上手く話せなくなったり、手足のしびれや脱力感、色彩感覚が鈍くなるなどの症状が出る。
現在では、英語名もMoyamoya disease。昔は、ウィリス動脈輪閉塞症とよばれていた。
日本人に多い。
もやもや病の疫学
日本人に多く、15%に家族歴がある。日本では約4000人の患者さんがいる(年間500人新規発症)。小児では脳虚血症状が多いのに対して成人では出血発症が多い。
もやもや病の原因
p.R4810k(RNF213遺伝子の多型)が原因遺伝子とされ、日本人に多い。RNF213遺伝子は、脳血管の形成に必要なたんぱく質を作ると考えられている。
もやもや病の診断
MRA等の画像診断で診断できる。
もやもや病の起こる年齢
小児・・・5歳(3~8歳)
成人・・・ 30~40歳
遺伝子検査にて発生のリスクがわかる。R213遺伝子の多型c.14576G>Aの場合、発症リスクは、およそ250倍と言われる。ホモ接合体の場合の予測発症時期は3歳頃、ヘテロ接合体の場合は7歳頃、そのどちらでもない野生型の場合は8歳頃と言われている。
50歳代の女性で単なる頭痛持ちと考える患者さんが当院に来院され、もやもや病がはじめて見つかった患者もいる。
もやもや病の合併症
小児…知能障害・頭痛・脱力発作・痙攣・失神
成人…脳出血・片麻痺・頭痛・意識障害
もやもや病の治療法
内科治療
虚血例…抗血小板療法
出血例…高血圧治療
外科治療
一過性脳虚血発作(TIA)…浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術
もやもや病と考えられる有名人
徳永英明(歌手)