ゲルストマン症候群とは
『手指失認』『左右失認』『失書』『失算』
『4つの症状で定義される脳の病気です。』
ゲルストマン症候群の障害の部位
頭頂葉の側頭葉側境界に近い角回や縁上回と呼ばれる部位の障害が関係していると言われている。
言語中枢が有る方を優位半球と呼び、ゲルストマン症候群は、優位半球の障害とされる。優位半球は左脳の事が多い(反対側を劣位半球と呼ぶ)。
手指失認・左右失認・失書・失算の4つの症状がある疾患を神経学者ヨーゼフ・ゲルストマンが見つけた。しかし、現在の所、単一の原因でこの病気が起こっているかと言った証明はない。4つの症状がすべて現れている患者さんがいる一方で、手指失認だけの患者さんもいる。ゲルストマン症候群は、特に、手指失認、ついで左右失認があるかどうかが重要であると考えられている。
ゲルストマン症候群の4症状とは
①手指失認・・・指定された指を示せない。
②左右失認・・・左右がわからない。
③失書・・・・・自発的に字を書くことも書き取りもできない。
④失算・・・・・暗算も筆算もできない。
ゲルストマン症候群の起こる年齢
小児型
発達性ゲルストマン症候群とも呼ばれるまれな疾患。学校で、文字の書き取りができなかったり、筆算ができなくて見つかることがある。手指失認や左右失認も同時実見られ、構成失行(模写ができない)や失読症を合併することも多い。脳障害の子供だけでなく、知能の高い子供にも見られる。時間がたつと改善する場合もあるが、トレーニングで対症療法で対処する子供もいる。
成人型
脳卒中や脳障害などで起こる。時間の経過で改善することも多い。
ゲルストマン症候群の治療法
基本的には治療法はない。対処療法やトレーニングで治療する。
いずれにしても原疾患の治療に加えてトレーニング療法がお勧めです。
⇒ 心療内科疾患
ゲルストマン症候群と考えられる有名人
堺雅人(俳優)が、テレビ番組で「右と左が分からない」「計算が全然できない」と告白し、ゲルストマン症候群ではないかと噂されている。
(文責:著作権:上本町わたなべクリニック渡邊章範)