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耳慣れない病気

「急に右か左かと言われるとわからない。タクシーに乗って運転手さんに道順を指示するときにも、『そこを右』というときは事前に何度か練習してから伝えています」

人気俳優の堺雅人(41)が、トーク番組『おしゃれイズム』(日本テレビ系)で「右と左がわからない」と告白し、話題を呼んでいる。個性派俳優の意外な超天然と思われるエピソードだが、放送後、ネット上では、「似た経験がある」「ゲルストマン症候群では?」という反響が多数寄せられた。

「それはゲルストマン症候群かもしれませんね」と話すのは、総合診療科を持つ大阪の「上本町わたなべクリニック」の渡邊章範先生。

「神経学者のヨーゼフ・ゲルストマンが発見した病気ですが、症状としては、人によって程度の差がありますが、左右がわからない、計算が苦手などの症状があります。脳内に病変が存在することによって起こると考えられている神経疾患です」

実は、ゲルストマン症候群のように「耳慣れない病気」にかかっている有名人は多いという。そこで今回、そんな有名人の「耳慣れない病気」を紹介。

【失顔症】ブラッド・ピット(俳優)、池谷裕二(脳科学者)
人の顔が覚えられない脳の疾患。顔をすばやく認識できず、何度も会っている人の顔を覚えられない。同一人物と気がつかない。顔だけが識別できないのが特徴。

【失読症】トム・クルーズ(俳優)、ジェニファー・アニストン(女優)、スティーブン・スピルバーグ(映画監督)
学習障害のひとつで、会話能力に問題はなく、目にも問題がないにもかかわらず、文字の読み書きや文章を読むのに困難を抱える読字障害。脳が言語を処理できない症状のこと。

【ベーチェット病】MATSU(パフォーマー・EXILE)
難病(特定疾患)に指定されている病気。目、口、皮膚、外陰部など皮膚粘膜に急性の炎症発作を繰り返す。近年はステロイドの外用薬や新薬など有効な治療法が増えている。

【ギラン・バレー症候群】美馬寛子(ミス・ユニバース・ジャパン2008)
急に手や足に力が入らなくなる病気。手足のしびれ感を伴うこともある。一般的に細菌・ウイルスに感染したり、下痢をした後に起こることが多い。特定疾患の1つ。

【もやもや病】徳永英明(歌手)
脳の血管が細くなり、検査写真が“もやもや”して見えることから名づけられた。言葉をうまく話せなくなったり、手足のしびれや脱力感、色彩感覚が鈍くなるなどの症状が出る。

【ナルコレプシー】色川武大(作家)
昼間の激しい眠気や、時と場所を選ばずに急に耐え難いレベルで眠くなる睡眠障害。近年、眠気をとる治療薬が開発されて、症状を軽減させることが可能になってきた。

【不思議の国のアリス症候群】芥川龍之介(作家)、ルイス・キャロル(作家)
体や目に異常はないのに、目の前のものが急に大きく見えたり、小さく見えたり、ゆがんで見えるといった、現実とは違う見え方をする症状が特徴。脳のウイルス感染が原因とも。

「それ、どんな病気?」と聞きたくなる、よく知らない病気も、有名人の告白で一気に知名度が上がることも。選出の渡邊先生は次のように語る。

「影響力のある有名人の方々が症状を語ることで話題となり、世間にあまり知られていない病気の認知度が高まるのです。それが病気への理解を促進し、治療法の改善も進めていくのです」

(女性自身ネット版の引用です。女性自身の週刊誌の内容とは異なります。文章は、女性自身ライター児島氏が書いたものです。)

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