大阪市民の乳幼児は、生後90か月(7歳半)まで、無料接種となります。
不活化ポリオワクチンは、初回接種3回、追加接種1回、合計4回の接種が必要です。
不活化ポリオワクチンの標準的な接種年齢・回数・間隔は、次のとおりです。
・初回接種(3回):生後3か月から12か月に3回 (20日以上の間隔をおく)
・追加接種(1回):初回接種から12か月から18か月後(最低6か月後)に1回
なお、この期間を過ぎた場合でも、生後90か月(7歳半)に至るまでの間であれば、接種ができます。過去に生ポリオワクチンを受けそびれた方も、対象年齢内であれば、不活化ポリオワクチンの定期接種を受けていただくことが可能ですので、接種されることをおすすめします。(厚生労働省)
①ポリオとは
ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスが経口からヒトの体内に入り、咽頭や小腸の粘膜で増殖し、その後に脊髄を中心とする中枢神経へ達し、これらを破壊することによってポリオの症状を生ずる感染症です。
感染者の0.1~2.0%程度が発症し、発症すると弛緩性麻痺(しかんせいまひ)を呈し、多くの場合、麻痺は回復しますが、一部では永続的な後遺症を残す可能性が高いとされ、死亡率に関しては、小児では2.0~5.0%といわれています。
②生ワクチンの危険性
現在、定期接種として実施されている生ポリオワクチン接種について、ごくまれにワクチンの副作用として、ポリオ(小児まひ)が起こります。また、ポリオをうった子供乳幼児の子供から、ポリオワクチンを打っていない方に感染する事も考えられます。
実際に、ポリオによる障害者数は増加しています。障害者白書では平成3年4万3000人、平成8年4万7000人、平成13年5万5000人増加しています。日本では、自然発生していないポリオ患者数が増加している背景に、生ポリオの副作用があります。
③不活化ポリオワクチンについて
すでに海外では、有効性が証明され、承認・市販されているが、日本では未承認となっている薬剤です。
不活化ポリオワクチンは、国内では承認されたワクチンではありません。そのため、接種後、重篤な副反応が起こった場合であっても、定期の予防接種である生ポリオワクチンのような公的な補償制度はありません。また、国内承認薬であれば対象となる独立行政法人医薬品医療機器総合機構法の補償も適用されません。ただし、国内承認薬のワクチンでも極めて重篤な副作用が起こっても、900万円程度が上限のため、十分なものではありません。
当院では、万が一重篤な副作用が起こった場合、独自の保証制度を設けていますが、保証の条件は厳しく、保証金額の上限も多くはありません。
いずれにしましても、どうしても不活化ポリオワクチンを受けたい方にのみ接種しています。当院で推奨しているわけではありません。
基本的に、重篤な副作用が起こった場合、すべての責任は、接種を希望された親御さんとなります。当院では、責任を取れません。
④不活化ワクチンか生ワクチンか
生ワクチンでは、ポリオになる可能性があります。不活化ワクチンは、ポリオになる可能性はありません。いずれのワクチンも、熱が出たり、腫れたりする様な、他のワクチンでも起こる副作用が起こる事があります。
十分に検討の上ご来院下さい。
⑤ポリオについての相談について
当院では、電話やネットでの相談は一切行っておりません。当ホームページの他、受診者の扶養者が、独自で調べた結果、接種を希望すれば御来院下さい。診察時の簡単な相談には応じています。
⑥留学前・赴任前・旅行前の子供~成人の接種
当院では、乳幼児のみならず、留学前・赴任前・旅行前の子供~成人の接種も行っております。ポリオ常在国(アフリカ地域、旧ソ連、東南アジア地域等)や北米に滞在などで事前接種が求められる事があります。
⑦昭和50年から52年生まれの成人の方の接種
昭和50年から52年生まれの成人のかたは、ポリオワクチンの免疫量が少ないとされていますので、接種が勧められています。
参考※以下に大阪市情報を抜粋します。
昭和50年から52年の間に生まれた人は、ほかの年齢層の人に比べてポリオ(日本名=急性灰自髄炎=小児まひ)の免疫を保有している割合の低いことが、厚生省の調査でわかりました。
日本には野生のポリオウイルスは、いないとされていますが、ポリオ常在国(アフリカ地域、旧ソ連、東南アジア地域等)に旅行したときに、感染・発症することがあります。また、現在子どもに接種している弱毒ポリオ生ワクチンウイルスが体外に排せつされて、人から人へと感染していく間に、弱めた毒性が強いカを取り戻して発症する例がまれにあります。
ポリオ生ワクチンを接種した保育園の同級生からの感染も考えられます。