睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠中に空気の通り道である気道が狭くなることによって
無呼吸状態と大きないびきを繰り返す病気。
睡眠中の無呼吸やいびきによって良質な睡眠が妨げられ、体内の酸素量が不足し全身のさまざまな部位に負担をかけ、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる合併症を引き起こしやすくなります。
健康と思われる成人の中にも睡眠時無呼吸症候群は数多く潜在しており、高血圧、不整脈、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞等の循環器疾患、夜間突然死との関連も指摘されています。
また、睡眠時無呼吸症候群による睡眠不足が原因で、自動車・電車・航空機の運転/操縦中に居眠りや判断ミスをしそれが事故へつながったケースも実際発生している他、労働災害、仕事や学業の能率低下など極めて重大な社会問題を引き起こす病気として知られています。
しかし治療方法も確立されておりますので、適切に検査・治療を行えば決して怖い病気ではありません。
主な原因
肥満による喉周りの脂肪
身体的特徴・・・顎が小さい・舌が大きい・扁桃が大きい
耳鼻科領域・・・慢性的な鼻炎など
1つでも思い当たる方は受診をお勧めします
☑日中に強い眠気を感じる
☑習慣性の強いイビキ
☑起床時の頭痛
☑夜中に何度も目が覚める
思い当たる方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群の種類
睡眠時無呼吸症候群-閉塞型
睡眠時無呼吸症候群の中で一番多いタイプ。無呼吸のときに胸郭と腹壁の呼吸運動は保たれるが、上気道が閉塞し、口や鼻からの呼吸が停止する無呼吸の型のことをいいます。閉塞型睡眠時無呼吸の病因としては、大きな扁桃や舌根が沈下し、上気道が閉塞し、無呼吸となると考えられます。閉塞型睡眠時無呼吸には「いびき」を伴います。いびきは無呼吸中には起こりませんが、呼吸が再開する時に大きないびきが見られます。その後数回の呼吸とともにいびきが起きた後、再び無呼吸状態になります。
睡眠時無呼吸症候群-中枢型
呼吸中枢機能の低下が原因で、呼吸筋の運動が停止する無呼吸の型のことをいいます。一般に脳幹の呼吸中枢機能の低下が原因といわれています。
検査の種類
簡易検査と精密検査(PSG検査)の2種類があります
CPAP療法
CPAP(シーパップ)療法は、睡眠時に鼻マスクを着用し、専用の装置で鼻から気道へと圧力をかけた空気を送り込むことにより上気道を広げ、寝ている間に気道が塞がってしまうことを防ぎ、睡眠時も呼吸が維持されるようにする治療方法です。“持続陽圧呼吸療法”と呼ばれることもあります。
睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に血液内の酸素が欠乏しやすいため、心臓や脳、血管に負担がかかりやすく、高血圧症や脳卒中や狭心症、といった病気のリスクが高まることが分かっています。CPAP療法を行うと、睡眠中の呼吸が安定することによって酸素を十分に取り込めるようになるため、これらの合併症のリスクも軽減できるといわれています。
睡眠を評価する方法
1 | 座って読書しているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
2 | テレビを見ているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
3 | 人が沢山いる場所で座って何もしていないとき (たとえば会議中や映画をみているときなど) | 0 | 1 | 2 | 3 |
4 | 車に乗せてもらっているとき (1時間くらい) | 0 | 1 | 2 | 3 |
5 | 午後横になって休憩しているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
6 | 座って誰かと話しているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
7 | 昼食後静かに座っているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
8 | 運転中、渋滞や信号待ちでとまっているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
0点…決して眠くならない
1点…まれに眠くなるときがある
2点…時々眠くなる
3点…眠くなることが多い
それぞれの評価点数の合計が11点以上だと、睡眠時無呼吸症候群の疑いが強いと考えられます。